近年古武術的な身体の運用法やナンバ走法といったものが話題になっています。私も甲野善紀氏、養老孟司氏の共著「古武術の発見」を読み、古武術の動きをサッカーに応用できないかと考えていましたが、木寺英史氏の「本当のナンバ 常歩」を読んだのをきっかけに自分なりにナンバ歩行、ナンバ走法を体得できたので、そのことについて書きたいと思います。
自分なりの解釈では、ナンバ(常歩)は腰椎をねじらず股関節をねじる歩き方(走り方)です。一般的な歩き方では骨盤が下肢の動きに追従して回転するため例えば右下肢が前に出れば骨盤の正面方向は左に向きます。つまり骨盤が上から見て反時計まわりに回転します。上半身はバランスをとるために反対方向に回転させるようにし、その間の腰の部分がねじれます。さらにストライドを大きくするためには腕を大きく振ってバランスをとります。
一方ナンバでは骨盤の回転方向はそれとは正反対です。右下肢が前に出れば骨盤の正面方向は右に向き、骨盤が上から見て時計回りに回転します。ただしこの回転はごくわずかで、実際にはほとんど回転していません。普通の歩き方からすると正反対のようなイメージだということです。そして腰はねじらずに、骨盤と上半身はあくまで一体です。下肢の動きはどこでバランスを保つかというと、ほとんど下肢自身です。股関節が足先と反対方向へ向かうため(例えば右足が前に出るときは右股関節が後ろへ下がるため)、両下肢の支点が内もものあたりになります。一般的な歩き方では支点が股関節よりもさらに上になるのに比べるとずっと下に位置することになります。ですから内ももより下の部分とそれより上の部分がバランスをとりあうことになります。内ももより上の部分だけではバランスをとるのに不充分であれば、それに骨盤より上の体幹部分が加わって最終的にバランスがとれることになります。ただしこれも自覚的なイメージで、実際には支点はほぼ股関節に位置するものと思われます。下肢に比べて体幹部分のほうがずっと重いため、それが上に乗っているだけで十分にバランスがとれるのです。
